2009年8月2日

「濫給」停止と、「漏救」防止

Filed under: 岡田登史彦の思い・感想 — admin @ 11:06 AM

終戦直後の第1回国会労働委員会(昭和21年10月7日開催)において、日本社会党の労働大臣米窪滿亮は、「働くよりも國家によって保障された方がいい、こういうことになれば、(中略)、惰民が起る。(中略)、日本の今日の財政基礎は惰民を養成するほど、(中略)、餘裕は、もちろんない。」と、政治家としての十分な見識を示す答弁をしていた。

ところが平成21年8月の総選挙における各党マニフェストでは、支援しなくてもよい世帯にまで支給するといったバラマキともいえる国家の役割を逸脱した「濫給」が氾濫している。

「濫給」よる財政負担は、回り回って国民、とりわけ若い世代に付け替えられるが、今のような国家財政が危機的な状況にあっては、これ以上の負担を将来に先送りすることは許されない。また、米窪の言にもあるが「濫給」は惰民を養成することから、人々は働かなくなり、結果として、日本経済を停滞させることとなる。

以上このことから、国民は自らを正し、今こそ「濫給」を停止し、救済のネットワークから漏れた本当に貧しい支援の必要な人々へ、手を差し伸べるべきであり、「漏救」防止こそが、格差を是正するためにも必要である。それは国民に生きる自信を与え、国家に対する信頼感を醸成することとなるのである。

以上